
真空管とは

真空管(球)とは、不活性ガスを封入した筐体内に、熱電子を生成させる電熱線フィラメントと、その電子を流すカソード、電子を受け取るアノードプレート、アノードとカソード間にあり電流を妨げるグリッド、というパーツで構成されるもので、大抵の筐体はガラスで出来ており、数本の金属ピンが円周上に生えている。
真空管を使う電子機器にはこのピンを差す台があり、真空管はそこに立つ。
真空管が一般的に使われたのは1970年頃までであり、トランジスタやLSI等ソリッドステートと呼ばれる半導体が代わりに使われることになる。
現在も真空管は暖かみのある心地よい音を発するということで一部のオーディオアンプや楽器用アンプ、マイク用プリアンプなどに使われており、中国やロシアを中心に少量が生産されている。
またそれ以外にも、年代物の真空管であってもまだ利用可能なものが多数存在し、オークション等で100円〜10万円とかで取引されている。
真空管をオーディオアンプ等の信号増幅機能で利用するためには、その増幅作用特性を把握する必要がある。
基本的には、特定範囲のグリッド電圧において、アノードとカソード間の電圧を変化させた場合に生じる電流変化が大きくかつ比例関係に近いものが、良質の低周波増幅用真空管となる。
しかし非線形な変化を起こす球においても、特定の領域においては比例関係を得られる場合があったり、逆にその非線形性が興味深い音色を生成する等、球の特性を楽しむことが出来るため、真空管を使ったオーディオ機器は現在も存在するのである。
また、回路構成も比較的分かり易いことから自作アンプという趣味の分野が存在し、私も球アンプをたまに、自作している。